アンガーマネジメント

アンガーマネジメントとは、1970年代にアメリカで始まったアンガー(イライラや怒り)をマネジメント(上手に付き合う)するための心理トレーニングです。日常生活の中でのチョッとした”怒り”でも、積り積もれば『爆発』してしまうこともあります。そうなると、人間関係を悪くしたり信頼を失ったりする原因となります。そして、「あぁ~あのとき怒らなければよかった・・・」などと後悔しても、取り返しがつかないことが多いのです。しかし、”怒り”は他の感情(喜哀楽)と同じで、人間の自然な感情であり、完全に消して無くすことはできません。「なくすことができないのなら、上手くコントロールできるようになろう」というのが、アンガーマネジメントの考え方なのです。

☆怒りをうまく表現する

 怒りっぽいことに悩む人がいる一方で、怒りたくても上手に怒れずに悩む人も多くいます。とくに日本では、昔から我慢することが美徳とされる風潮がありますが、裏を返せば日本人は「怒りを表現するのが下手」なのです。無駄な怒りは、時間とエネルギーを消費します。怒るべきときに怒れないことも、人間関係で損をする要因となるかもしれません。感情に振り回されて損をしないためにも、自分の中にある怒りをマネジメントして、適切に表現できるようになることが大切です。

 

☆アンガーマネジメントが出来るようになると

 後悔しない:怒る必要のあることは上手に怒れ、怒る必要のないことは怒らなくなる

 上手に表現できる:他人を傷付けず、自分を傷付けず、ものを壊さず上手に怒っていることが表現できる

 

家庭や職場、スポーツの場面などでも役立ちます

☆親子関係

 子どもの頃に親に理不尽なことで怒られた!

 子どもが悪いわけではないのに怒ってしまった!

という経験はないでしょうか。この様なことは多くの方が経験していると思います。怒りの特性の一つに”矛先を固定できない”(八つ当たり)があります。まさしく、親の怒りの感情を子どもに向けた(八つ当たり)ことが原因だったのです。この様な状態が続けば親子関係や人間関係に悪影響を及ぼすことになります。”怒り”を正しく理解して、アンガーマネジメントを実践していくことで、より良い親子関係が築けるようになります。

 

☆職場では

 ”怒り”の多い職場は生産性の低下や離職にもつながります。作業効率や人間関係など様々な場面に影響を及ぼす”怒り”の感情を正しく理解して個々がアンガーマネジメントを実践することは、企業にとっては大きなメリットになるのではないでしょうか。また、クレーム対応においてもアンガーマネジメントは重要な役割を果たしてくれるはずです。

 

☆スポーツでは

 怒りは「不安や悔しさなどのネガティブな感情を建設的なパワー」に変えてくれます。これは怒りの特性の一つである”エネルギーになる”ということでもあります。また、試合中にイライラするとプレーに集中出来ず、最高のパフォーマンスを発揮することが出来なくなります。指導者や選手が”アンガーマネジメントを実践する事で競技力のアップにるながるのではないでしょうか。これは学業にも共通して言えることかもしれません。

 

アンガーマネジメントキッズ講座

子どもはいつの間にか親から怒り方を学んでいます。子どものうちに怒りの感情を知り、正しく対処できるようになることは、その後の成長過程に役立つはずです。アンガーマネジメントキッズ講座は、アンガーマネジメントの理論とテクニックを小さな子どもにも分かりやすく、楽しく、すぐ実践できるように開発されたプログラムです。ゴールは「怒らない子どもになること」ではありません。目指すのは「自分の感情表現に責任を持てるようになること」です。子どもが怒りを反射的にぶつけない、自分の要求や感情を適切に表現する方法を身に付けていくことを目的としています。キッズワークブックを使って、分かりやすく楽しくアンガーマネジメントをお伝えします。