メンタルヘルス

メンタルヘルスとは「こころの健康」のことです。

こころが健康であるということは、前向きな気持ちが安定的に保たれ、意欲的な姿勢で仕事や学業など日常生活に適応することができる状態だといえます。しかし、近年は社会環境の変化や複雑な人間関係によって、こころの健康に不調をきたしている人が増えてきています。 メンタルヘルスが不調になると、「こころの病気」として様々な影響が出てきますので正しく対処していくことが重要になります。

 

メンタルヘルス不調について理解を深めよう!

【メンタルヘルス不調は誰でもなる可能性はあります】

厚生労働省によると、2008年にメンタルヘルス不調により「こころの病気」で通院や入院をしている人は約323万人で、日本人の約40人に1人の割合になります。生涯を通じて5人に1人が「こころの病気」にかかるとも言われており、特別な人がかかるのではなく、誰でもかかる可能性があるのです。

 

【メンタルヘルス不調は回復します】

メンタルヘルス不調になっても、多くの場合は治療を受けることにより回復し、安定して社会生活をおくれるようになります。メンタルヘルス不調になった場合は、身体的な病気と同様に治療を受けることが大切です。その際に気を付けなければならないのは、「焦らず、じっくりと治す」ということです。早く治そうと思い、焦り無理をすると、回復が遅れてしまうことがあるからです。

 

【メンタルヘルス不調を正しく理解しましょう】

メンタルヘルス不調は本人が苦しんでいても、周囲は分かりにくいという特徴があります。身体的な病気や怪我などの場合は、「大丈夫?」「無理しないでね」などと、声をかけることはできます。しかし、メンタルヘルス不調の場合は、周囲は気付かないうちに無理なことをさせたり、傷付けたりしているかもしれません。ですから、私たちがメンタルヘルスについて正しく理解していくことが大切なのです。

 

セルフケアでこころを元気に

メンタルヘルスの不調を予防するには、ストレスと上手に付き合うことが大切です。

【ストレスの要因】

ストレスは、外部から刺激を受けたときに生じる「緊張状態」です。外部からの刺激は環境的要因や身体的要因、心理的要因など様々です。また、人間関係や仕事など社会的要因もあります。日常生活の中で起こる様々な変化がストレスの要因となります。

 

【自分のストレスのサインを知ろう】

ストレスを受けることで、体調を崩すだけではなく、眠れなくなったり、食欲がなくなったり気持ちが不安定になることは誰でも経験することです。人によって症状や程度は様々ですが、この様な症状が出現したからといって、こころの病気というわけではありません。しかし、こうしたサインが出ていても、今までと同じようにストレスを受け続けていると、体やこころは更に調子を崩してしまい、こころの病気にかかってしまうこともあります。

 

【ストレスサインに気付いたら早目のセルフケアが大切】

こころの健康を保つのも、体と同じように早目の対応が大切になります。ストレスサインは、その人特有のものもあるので、見逃さないようにしましょう。

 

こころの病気と上手に付き合うために

こころの病気の多くは、少しずつ病気のサインが出ています。そのサインに気付いたとき、早目に専門家に相談することが大切です。

 

【気になる症状が続くときは、専門機関に相談しましょう】

気分が沈む、憂うつ

何をするのにも元気が出ない

イライラする、怒りっぽい

理由もないのに。不安な気持ちになる

気持ちが落ち着かない

胸がドキドキする、息苦しい

何度も確かめないと気がすまない

周りに誰もいないのに、人の声がする

誰かが自分の悪口を言っている

何も食べたくない、食事がおいしくない

なかなか寝付けない、熟睡できない

夜中に何度も目が覚める など

 

【周囲の人が気付きやすい変化】

服装が乱れてきた

急に痩せた、太った

感情の変化が激しくなった

表情が暗くなった

一人になりたがる

不満、トラブルが増えた

独り言が増えた

他人の視線を気にするようになった

遅刻や休みが増えた

ぼんやりしていることが多い

ミスや物忘れが多い

体に不自然な傷がある など